投稿日:2010年9月23日|カテゴリ:カルチャー(読書・アート・ライブ・舞台etc)

とっても素晴らしい映画を見てきました。
「月あかりの下で」
有名な俳優さんは誰も出ません。
びっくりするようなCGもないし、パラダイスのような美しい土地でのロケもないです。
舞台は、埼玉県立浦和商業高校定時制。
その、1つのクラスの入学から卒業までの4年間(2002年~2006年:つい最近のことです)を追ったドキュメンタリーです。
でも、作られた学園ドラマの何倍も感動しました。
 

~下北沢の小さな映画館トリウッド:全部で48席しかない小さな映画館。でも、座席も寛げるしなんだか素敵な映画館です。「月あかりの下で」は10月1日まで上映。~
 

私にとって定時制高校のイメージって、「経済的に恵まれない家庭の子が、昼間働きながら通う学校」あるいは、「ヤンキーで高校中退しちゃった子が行くとこ」「若い頃学校に行けなかった人が、もう1度勉強したくて行くところ」そんな感じだったんだけど・・。
この映画を見ると、そういう生徒も勿論いるけど、それよりむしろ、「イジメなどで不登校になった子たちの再出発の場所」になっています。
このクラス40人のうち、37人が不登校の経験者・・・。
リストカットする子、学校へは来ても教室には入らず保健室でたむろしてる子、お酒飲んで登校してくる子、教師に喧嘩売る子、家庭内暴力で保護施設に保護されている子・・・
でも、そんな生徒たちにどこまでも暖かく、本気でぶつかる教師たち。
タメ口で、反抗的な生徒に対しても、怒るんじゃなくて、なんとかして彼らの居場所を学校に作ろうとしています。
「仕事だから」じゃなくて、ホントに本気で生徒のこと思っているのが、映画見てる私にもひしひしと伝わってきます。先生だけじゃなくて、給食のおばちゃんも。
-3+2がわからない子に、財布から10円玉を出して、1対1で根気よく教える数学の先生、進級が危うい生徒たちに本気で泣きながら頑張れと叫ぶ先生・・。
金八先生なんかよりずっと凄いです。だって、これ作り話じゃないんだもん。
こんな先生たちがいるんだ!!ってそれだけでも感動。
傷つきやすい柔らかな心を持った生徒たちが、成長していく姿も素晴らしい。
115分、あっという間に過ぎました。
素晴らしい学校なのに、統廃合で今はなくなってしまったのが残念。
こういう学校は必要だと思うけどなあ・・。
効率だけ考えて統廃合するのは、どうなのかなあ??
皆さんにも是非見てほしい映画です。
 

~下北沢で大人も満足できる美味しい和食屋さんを知ってる方、教えてくださいー。
ネットのクチコミで評判のいいお店に行ってみるんだけど、いつも期待はずれで・・・。
写真は、3月頃下北沢行った時見かけたかっこいいワンちゃん。飼い主の方もペアルックでかっこよかった!~
 

家庭でも、学校でも、職場でも、自分の居場所があるって思えないのは辛いことです。
仕事は辞められるけど、義務教育の子供たちは、家庭からも学校からも逃げられないですからね・・。
 

~ウェストデンタルクリニックも、ただ歯を治す場所ではなく、患者さんにとって居心地のいい「行きつけの場所」でありたいなと日々思っています~